2024.08.23
関西大学のHACK-Academy「起業プログラム」から生まれた学生起業家たちの現在地
関西大学 様

関西大学では、学生自身がキャリアの選択肢を増やし、社会に新しい価値を作っていける人材を育成するために「HACK-Academy」というアントレプレナーシップ醸成を企図したプログラムを展開しています。その中で起業家育成プログラムを実施しており、今回は、本事業を実施されている関西大学職員の鍛島さんと、本プログラムを受講され、実際に起業にチャレンジをしている関西大学1年生(取材当時)の上村温大(はると)さんと、上村翔太(しょうた)さんの3名にお話をお伺いしました。
目次
ー 大学として起業プログラムを行う意義
ー 起業へのチャレンジを行うきっかけ
ー 研修を経て感じたことと今後の事業展開
大学として起業研修を行う意義
ーー まず「HACK-Academy」について教えてください
鍛島
HACK-Academyは関西大学が主催するアントレプレナーシップ醸成プログラムで、新たな体験を通じて学びを深めていくことを目的にした「実践の場」です。関西大学の主催ですが、関西大学の学生だけでなく、大学生であれば、どなたでも参加が可能なプログラムになっており、関西圏を中心に様々な大学の学生に参加いただいています。
ーー 関西大学として「HACK Academy」に期待していることは?
鍛島
2018年までキャリア担当の職員として、就職活動を間近に控えた学生たちの話をたくさん聞いてきましたが、残念ながら「働くことにネガティブ」な学生が本当に多いんです。学生が就職活動を前に「ネガティブになってしまう」大きな原因の1つが大学の学びと社会に出て働くことが大きく分断されてしまっていることにあるのではないかと考えるようになりました。この経験から、学生と社会を繋ぎ、さらに学生たちのキャリアの選択肢を増やすことを目標にHACK-Academyをスタートさせました。あえて他大学の学生も参加可能してもらうことで、広くきっかけを提供できるのはもちろん、関大生にとっても良い影響を受けられるような仕組みになっているかなと思います。
ーー メンターとして弊社を選んでいただいたきっかけは?
鍛島
一番の決め手は、関西のコミュニティ等でご一緒していたアルファドライブ高知の代表の宇都宮さんの持つ考え方でした。教育とビジネスにおける違いや学生時代に身につけておくべき、ベースとなるスキルの話など、まさに教育的な視点で考えてくださる方なので安心感がありました。また、メンタリングについても学生の主体性を大切にされ、学生が主導権を持てる状態でサポートしていただけたのがとても良かったと感じております。
ーー 大学として、学生たちに期待することは?
鍛島
大学生という貴重な期間に、就職だけを意識して動くこと自体に疑問を感じています。せっかくなら、自分の人生に悔いのないよう、とことん楽しんでチャレンジしていただきたいと思うんです。その中で、自分で考えて動くことは社会にとっても自分に人生にとっても良い影響を与える、意味のあることだと気づいてもらえたらと思っていますね。
起業へのチャレンジを行うきっかけ
ーー 続いて大学生起業家のお二人にお伺いします。まず、お二人の自己紹介をお願いいたします。
上村温大さん(以下、温大)
株式会社COROLE(以下、COROLE)のCEOをしている関西大学商学部1年(当時)の上村温大です。神戸出身で、エンジニアとしても活動を行っています。
上村翔太(以下、翔太)
COROLEのCSO、そして関西大学社会学部1年(当時)の上村翔太です。私は大阪出身で、COROLEではビジネス周り全般を担当しています。
温大
COROLEでは、私たち2人以外にも他大学の学生2名が参画しており、それぞれCOOとCTOを担当してもらっています。
ーー HACK Academyへの参加のきっかけを教えてください。
温大
私は高校時代から起業をしたいという思いがあり、実は当初大学進学する気は全くありませんでした。しかし、高校の先生から紹介を受けたこともあり、関西大学商学部の受験を決めました。大学進学後も「起業する」という目標はブレることはありませんでしたが、何で起業をするのかが決まっていませんでした。そんな時、大学からのメルマガでHACK Academyを知り、とにかく参加したのがきっかけです。
翔太
私も温大と同じく、高校生の時から起業をしたいという思いを持っていました。ただ、起業をするためにどう勉強をしていけば良いのかわからずにいたところ、HACK Academyの存在を知り、何か得られるものがあればいいな、という軽い気持ちで参加を決めましたね。
ーー お2人の出会いのきっかけは?
温大
出会った場所が、まさにHACK Academyです。説明会にて、学生同士で話し合う時間があったのですが、他のチームで翔太がChatGPTの話をしていたんです。全く別のチームでプログラムの中ですれ違うことはなかったのですが、どこか気になる存在だったので、説明会終了後に僕からナンパしましたね。笑
翔太
僕も、なんとなくですが、温大は他の学生とは系統の違う発言をしていたので、気になっていました。自分とは違う思考ができる人と出会いたいと思っていたので、声をかけてもらい、嬉しかったですね。
温大
その後、話をしていく中で、翔太となら一緒に事業を進められると感じ、一緒にチームを組むことになりました。
プログラムを経て感じたことと今後の事業展開
ーー 改めて、お2人で進められている事業について教えてください。
温大
現在、子どもたちのアイデアの幅を広げるためのアプリのローンチに向け活動を展開しています。このサービスアイデア検討のきっかけは、僕自身の子どもの頃「自分が考えていることを誰にも理解してもらえない」という原体験がきっかけになっています。子どもの面白い空想を可視化することで、子ども自身のアイデアの幅を広げることはもちろん、親や大人も子どもの思考を理解し、コミュニケーションに役立たせることにもつながるサービスを考えています。
翔太
温大の考えるアイデアを素早く形にしていくため、MVP開発を重視して、事業開発を進めていきました。皆様のサポートもあり、ビジネスコンテストなどイベントに出る度に、様々な賞を受賞させていただくことができ、目に見えて成果が生まれていったのが嬉しかったですね。
ーー HACK Academyのプログラムを通じた感想をお聞かせください
温大
改めて、こうしたプログラムを提供してくれる関西大学を選んでめちゃくちゃよかったなと感じています。プログラムとして良かった部分としては、社会との接点を持てるところですね。他校を見ていてもここまで本格的な起業を支援するプログラムが用意されていることは少ないので、本当にありがたく感じました。
翔太
プログラムを通じて、顧客に向き合う必要性をしっかり学ぶことができたと感じています。今回のアイデアで様々な賞を受賞できたのも、研修を通じて事業の立て方の基礎をしっかり学ぶことができ、かつ、メンタリングで口酸っぱく指摘していただいたからだと思っています。研修での学び自体ありがたいですし、こうした支援制度が整っている関西大学に入学して心から良かったなと感じてますね。
ーー 今後の事業展開は?
温大
今後、MVP開発に加え実証実験を開始し、補助金活用、もしくはエクイティ調達までできればと考えております。調達が成功した場合、年度末のローンチを目指し、徐々にスピードも早めながら活動を展開していきたいです。ただ、もちろん調達がうまくいかない可能性もあると思っています。その場合は、今のアイデアを少し寝かせ、AI関連事業の受託に回り、小さくビジネスを回してみる経験を積みたいと思っています。いずれにせよ、自分たちが目指す理想の達成に向け、走り抜けたい気持ちですね。